福建省福州では古くより盆、正月やお祝い事がある時などに、家族、親戚、友人など大勢で食卓を囲む時に出される特別なスープ料理がありました。それが太平燕のルーツのようです。いつしか華僑によって熊本に伝えられ、学校給食にも出される郷土料理と言っても過言ではないものとなりました。
元来春雨スープとされていた太平燕は、「麺料理」に属するとして良いと思われます。贅沢な食材であったフカヒレの替わりに春雨を使い、真上に二つ割りにした揚げ卵をあしらって、燕の巣に見立てたことが太平燕の名前の由来、という説もあります。メインの春雨の他に、具材は野菜、かまぼこ、きくらげ、エビ、イカ、アサリ等・・・・・・。これにゆで卵が加わりますが、これがまたお店によって揚げ卵だったり、煮卵だったり、卵そのものがウズラのものだったり・・・様々です。
スープにしても鶏ガラのスープが一般的ですが、これも白濁するほど煮立てたもの、逆に絶対に煮立てず澄んだもの、ラーメンの様にとんこつをベースにしたものまである…当店は澄んだ鶏ガラをベースにあさりの出汁をご用意しております。
ちなみに卵は揚げ卵を乗せます。
この様に一見どれも同じように思われる太平燕ですが、実は同じ物はふたつとありません。
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